懐かしのテレビゲーム機カセットビジョンを覚えていますか?
今どきの若者はおろか、ファミコン世代でもなかなか知らない、初期のテレビゲーム機の傑作、カセットビジョンを思い出すまとめです。
カセットビジョンとは
今の若者世代は確実に知らず、ある程度の年齢以上の人(令和に入って還暦近くか?)で、しかもファミコンに食いつく前からテレビゲーム機に興味を持っていたような人しか知らないであろう、独特なゲーム機、カセットビジョンです。
カセットビジョンは、エポック社が1981年7月30日に発売したカセット式の家庭用ゲーム機。
1983年9月時点では日本で流通していた家庭用ゲーム機の中でトップの販売台数である40万台から45万台を売り上げた。
後のファミコンによる、家庭用ゲーム機ブームが来る前にここまで売り上げていたのはすごいですね。
開発経緯
1975年からエポック社はゲームが本体に内蔵されたゲーム機を販売していた。1979年に発売したテレビ野球ゲームはそれまでハードウェアの回路でゲームを実現していたのに対してマイコン(CPU)を採用して、プログラムによって効率的にゲームを開発可能になった。そこで1978年発売のシステム10の後継機として開発に取りかかっていたスーパー10は完成しつつあったが開発が破棄されて、カセット式のゲーム機の開発に切り替えられる。それがカセットビジョンである。設計はNECが担当した。同じマイコンを使うのなら、周辺回路は同一であり、それなら本体は共通化してゲームはカセットで供給する方が低コスト・低価格化に繋がるという発想で、堀江正幸ら3人の担当者によって開発された。
本機は本体に周辺回路と電源と操作部を搭載し、カートリッジにテレビゲーム用LSI自体を1チップにした1チップマイコンを内蔵し、カートリッジを交換することで違ったゲームを楽しめるというシステムである。本体にCPUが搭載され、ゲームソフトのプログラムとデータはロムカセットに内蔵されたROMで供給するタイプの後年のカセット交換式ゲーム機とは異なる構造となっている。
これはCPUとROMを分離しCPUと外部のROMとをバスで接続すると、ノイズが乗ったり誤動作の原因になるという技術的な理由でできなかったためである。後年のゲーム機の主流となったCPUとメモリのROMとRAMを分離して、本体にはCPUとメインRAMを、カートリッジ側にROMを搭載する方式と比べると、本体を安くできる、動作が安定する、それまでに発売したゲームを本体に内蔵したゲーム機の移植が容易にできるなどの長所を持つ。当時の技術ではCPUとは別にROMを置く方がコストが掛かっていた。
今では当たり前の、CPUは本体に積み、カセット等のソフト側はROMのみ、という方式はこの頃ではかえって高くつくとは驚きです。
カセットに搭載しているマイコンチップはNECのμPD777CやμPD778というテレビゲームのLSIで、プログラムはROMチップの形で分離されておらずにD777C等に内蔵されている。よってカセットに内蔵されているのはこのチップのみである。単体で演算、入出力、画像処理の全てを1チップで行っている。そのため、何ビットと定義するのは難しく、4ビットや8ビット、12ビット、場合によっては48ビットなど様々な数値がある。エポック社は『日経産業新聞』の取材に対しては4ビットだと答えている。
性能
少ない色数や大きいドット、貧弱な音源、背景を描くバックグラウンドが単色など、発売された時期から見てもあまり優れた性能ではない。それ以前の1977年にアメリカで発売されたアタリVCSよりも性能が劣る。
同時発音数は単音だが、『ギャラクシアン』のように工夫を凝らして和音に聞こえるようなゲームも存在した。
画面表示
VDPにはテレビのチャンネル表示用ICを使用している。ドットが非常に大きい反面、通常のドットを対角線で半分に切った形の三角形のドットが存在するのは、このICの仕様によるものである。なお、内部的にはドットが三角形というよりも、本来は長方形であるドットを平行四辺形として表示できる機能を活用したものである。
当時ファミコンを含む主なライバル機の画面は128から256ドット程度の画面解像度を持っていたのに対し、画面解像度は低かった。1983年の『月刊コロコロコミック』によれば、 カセットビジョン(Jr.)の画面解像度は54×62ピクセル、色数は8色とされていたが、NECの技術者だった小口哲司がウェブ上に公開した資料によれば、μPD777/778の画面解像度は75×60ピクセル、色数は6色+オレンジ+ブルーシアン、スプライトは7×7ピクセルで25枚、スプライトの横方向の同時表示可能数は12枚、同一座標では5枚までとなっている。一方でドットが大きくゴツゴツした画面表示は、キャラを判別しやすいという見方もあった。
BG面はなく、よってスクロール機能も存在しない。横スクロールシューティングゲームの『アストロコマンド』では、キャラクターの配置座標をずらすことでスクロールしているように見せかけている。
本体・コントローラー
カセットビジョン、カセットビジョンJr.ともに本体一体型である。別売の光線銃のみ外部接続。ゲーム機本体にコントロールレバー、ボタン、ダイアルコントローラが中央から左右対称に配置されていたため、1プレイヤーは左手でレバーを操作、2プレイヤーでは右手でレバーを操作する。
レバースイッチ
左右2方向のみの1軸スティック。『アストロコマンド』では上下移動に使われる。カセットビジョンでは左右2箇所にあるが、内部ではつながっており、1プレイヤー・2プレイヤーを問わずどちらでも操作できた。このためカセットビジョンJr.では1個に整理された。
プッシュボタン
4個あり、カセットビジョンでは手前に一直線に並んでいる。自機が4方向移動のゲームでは移動ボタンとして使われることもあり、Jr.では実際に4方向の配置に変更されている。
回転ダイヤル
いわゆるパドルコントローラ。カセットビジョンで左右2対(4個)あるアナログ的なコンソール。『ビッグスポーツ12』で主に使われるほか、野球ゲームでも野手の移動に使われる。Jr.では省略。
コーススイッチ
カセットビジョンで中央手前にあるスライド式スイッチ。野球ゲームで投球コースの設定に使われる。Jr.では省略。
その他のボタン
カセットビジョンでは中央に3つの補助的なボタンがある。このうちスタートボタンとセレクトボタンのみJr.で採用。
外部端子
カセットビジョンでは別売の光線銃を接続すれば『ビッグスポーツ12』で使用できる。Jr.では省略。
本機の大きな特徴はその低価格にある。当時、他社のカセット方式のゲーム機本体の価格が50,000円代で均衡していたのに対し、本機は初期にACアダプタ(1,500円)が別売りで本体価格が12,000円であり、後にACアダプタが同梱されたものが13,500円だった。
カセットビジョンの魅力
カセットビジョンは、ファミコンが登場する前の家庭用ゲーム機として、多くの家庭に笑顔を届けた懐かしいゲーム機ですね。その魅力は多岐にわたりますが、いくつか特徴的な点を挙げてみましょう。
カセットビジョンの魅力
手軽な価格: 高価なゲーム機が多かった時代に、比較的安価に入手できたことが大きな魅力でした。
カセット交換の楽しさ: カセットを交換するだけで、全く違うゲームが楽しめるという手軽さが子供たちを夢中にさせました。
シンプルな操作性: ボタンやスティックが本体に一体化しており、直感的な操作でゲームを楽しむことができました。
日本製ならではのゲーム: 海外のゲーム機が主流だった時代に、日本製のゲーム機として、国産ゲームの面白さを味わうことができました。
懐かしさ: 多くの人の幼少期の思い出と結びついており、懐かしさを感じる人も多いでしょう。
カセットビジョンが愛される理由
カセットビジョンは、高性能なグラフィックや複雑な操作性ではなく、シンプルなゲーム性と手軽さが魅力でした。当時の子供たちは、カセットビジョンを通して、ゲームの楽しさを知り、創造性を育みました。
また、カセットビジョンは、日本のゲーム業界の発展に大きく貢献しました。カセットビジョンを経験した人たちは、後のゲーム機にも高い関心を持ち、日本のゲーム産業を支えるファン層を形成しました。
現代におけるカセットビジョンの価値
現代においても、カセットビジョンはレトロゲームとして高い人気を誇っています。当時のゲームをプレイすることで、懐かしさを感じたり、現代のゲームとの違いを味わったりすることができます。
また、カセットビジョンは、ゲームの歴史を学ぶ上でも貴重な存在です。現代のゲームの基礎となった技術やアイデアが、カセットビジョンにも見られます。
カセットビジョンは、日本の家庭用ゲーム機の歴史において、重要な役割を果たしたゲーム機です。シンプルなゲーム性と手軽さが魅力で、多くの人の心に深い印象を残しました。現代においても、レトロゲームとして愛され続けており、ゲームの歴史を学ぶ上でも貴重な存在と言えるでしょう。
ソフトも少なく、本体の性能も当時の他のゲーム機の水準からしてもやや低いということもありながらも、本体が安価なのと、家庭用で遊びやすいゲームを発売したことで一時代を築いた重要なゲーム機のひとつですね。
懐かしいカセットビジョンの動画
出展:Youtube
カセットビジョン CM集 1982 - 1983年
この動画は、以下のURLから見ることをおすすめします。 (サムネイルをクリックすることで動画が再生されます) ...
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